リスク許容度分類
自分のリスク許容度は
前回の記事でも最後に少し触れましたが、「リスク許容度」を知ることは大事なことです。大体は生まれ持った生来の性格という気もしますが、年を重ねて経験を積んだりすると変わったりもすると思います。
”リスク”とは振れ幅のことであり、プラスの変化もマイナスの変化もその両方を含むものと説明しましたが、「リスク許容度」というと「どれぐらいの損失なら受け入れられるか」を意味します。投資しているものが増えすぎて怖いっていうのも無くはないですが、お金が増えて生きていけなくなることはないですからね。いや、もしかしたら居るのかもしれませんが、ちょっと存じ上げないです。全然貰いますよ、連絡待ってます。
ざっくりとした勘定になりますが、下記の質問に正直に答えてみてください。
質問① 投資した資産の評価額が-30%を超えたらどう感じますか?
1.不安でずっと考えてしまう すぐに売却したくなる
2.うわ~と思うが、売却まではしない 様子見
3.相場は上下するもの 安く買えるチャンスだと思う
質問② 投資の目的と期待リターンは?
1.預金するより投資に回したい 損はしたくない
2.長期的にコツコツ増やしていきたい 大損せずに安定した利回り
3.大きく資産を増やしたい 減る資産があってもトータルで増えればいい
質問③ 安定した収入が継続する見込みがありますか?
1.収入は不安定で先行きは不透明
2.安定収入があり、余裕はないが普通に生活できている
3.安定収入があり、生活費を引いた余剰資金が多い
質問④ 投資の知識や経験はありますか?
1.これから勉強したい
2.興味をもって色々と調べている 証券口座を開いた
3.金融商品を買ったことがある 投資本を読んだ
質問⑤ ニュースや市場の変動をみて情報収集をするタイプですか?
1.実績のあるものの方が信頼できる あまり時間をかけないタイプ
2.情報のチェックはするが専門家の話を参考に自分で考えるタイプ
3.自分で積極的に調べて最新の情報を追いかけるタイプ
いいですか、ちゃんと答えましたか?
回答番号の数字を足して何ポイントになったか教えてください。
リスク許容度別 3タイプ
合計5~8ポイント・・・リスク許容度:低め
元本を減らすことを避けて、安定した運用を最優先。大きなリターンよりも、確実性や安心感を重視するポートフォリオが向いています。無理にリスクを取らずに自分に合ったペースで投資を続けることが大切。おっとり、まったりカメさんタイプ。

合計9~12ポイント・・・リスク許容度:中くらい
安定性と成長性のバランスを重視する。大きな損失は避けたいけれど、ある程度のリターンも欲しい。分散した資産配分でバランスよく無理なく、着実に資産形成を目指していく。冷静に物事を判断していくしっかりもののフクロウさんタイプ。

合計13~15ポイント・・・リスク許容度:高め
大きなリターンを追求するために、ある程度の損失や市場の変動を受け入れられる。積極的に株式や成長が見込める資産へ投資できるが、しっかりと情報収集して衝動的な判断は避けるようにしよう。強いけど油断は禁物なオルカさんタイプ。

タイプ分類は私の偏見です。なるべくかわいいイラストにしました。
リスク許容度別ポートフォリオ
※生活防衛資金を確保したうえで余剰資金を投資に回しているという大前提がありますが、私だったらこうするという提案をさせていただきます。商品は色々とありますがとりあえず投資信託でのおすすめも合わせて挙げさせていただきます。
安定重視型ポートフォリオ(カメさんタイプ)
・国内債券:25% eMAXIS Slim 国内債券インデックス
・国際債券:25% eMAXIS Slim 先進国債券インデックス(除く日本)
・8資産均等型:50% eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

安定した成長と言えば債券です。常に資産の半分を債券にするようなポートフォリオを組みましょう。債権はリターンこそ小さいですが、相場が暴落した際の影響も小さく安心して持っていられます。年齢が50歳を超えた方は自分の年齢分の比率で債券割合を増やしましょう。(60歳の人は60%の債券を)
リスクを分散させるため、国内と先進国の債券を半々に。日本と海外では金利や市場の動きが違いますので、国内債券のみよりは他も含めたほうが良いと思います。日本はわざわざ除かなくても大丈夫ですよ。そんなに割合は大きくならないでしょうし。
株式を含めるかは人によるでしょうが、せっかく投資をするなら、こんなブログを読むぐらいなら安定重視でも増える投資をお勧めします。増えるけど安定、オルカンよりもっと安心は8資産均等型です。株式(国内・先進国・新興国)、債券(国内・先進国・新興国)、不動産(国内・先進国)の8つの資産に各12.5%ずつ均等に投資することを基本としています。6資産とか4資産もありますが、私の推しは8資産です。
これでPF全体のうち2/3が債券でリスクはかなり抑えられていると思います。期待リターンは2~4%程度、10%以上の下落も滅多に起こらないでしょう。
バランス型ポートフォリオ(フクロウさんタイプ)
・全世界株式:60% eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・先進国株式:20% eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・国際債券:20% eMAXIS Slim 先進国債券インデックス(除く日本)

続いて大多数がここに落ち着くであろう中リスクのバランス型はやはりオルカン中心にしたいですね。私も新NISAなどを始めるにあたって「何に投資すればよいか」と聞かれたら、「まあまずはオルカン積立ててみたら」と答えたくなります。
オルカンとは通称で、「全世界株式=オール・カントリー」のことを指します。過去に遡っておよそ100年間米国が世界を牽引してきましたが、”米国は成長しすぎた”、”他の国が大きな成長を見せる”といった声もあり、これからは米国だけじゃなく全世界に投資した方がいいんじゃない?という考えの方にハマっているのだと思います。
個人的にはまだしばらく米国が強いと思っていますし、市場規模がデカすぎてオルカンの2/3ぐらいが米国株になっており、「全世界株式って言ってもほとんど米国株買ってるようなもんじゃん!」という指摘も仰るとおりです。が、逆に言えば「将来のことは分からないんだから、1/3ぐらい他の国の株を含めても良くね?上がったらラッキーじゃん。」というのもそのとおりだと思います。
定期的に積立てを行うならオルカンでいいと思います。正直。しかし、資産配分という視点で言えば、上記のように先進国(S&P500)と債券を含めたほうがよいというのが私の考えです。私はまだしばらく米国一強が続くと考えていますので、その成長をより多く教授するためにS&P500はPFに入れておきたいです。またオルカンもS&P500も株式ですので、たとえ分散していてもリスクは大きく、債券を含めることでPFの防御力も上げておきたいです。MAX40%ぐらいまででもう少し債券割合を増やしてもいいとまで思います。
オルカンを主軸に株式多めのこのPFの期待リターンは6~8%程度。下落時には25%ぐらいガッツリ下げることも覚悟が必要かと思います。
成長重視型ポートフォリオ(オルカさんタイプ)
・全世界株式:50% eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・先進国株式:25% eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・先進国株式:25% ニッセイNASDAQ100インデックスファンド

高リスク型のPFは考え方が人によると思いますのであくまで一例です。私の米国推しが多分に含まれておりますが、ご了承ください。成長性を重視するなら株式オンリーです。守りなんて捨てます。債権は入れません。問題はどこに投資するか、です。私の持論ではこれからもしばらくは米国の成長が続くと考えておりますので、S&P500とNASDAQ100に25%ずつ、残りの50%を全世界に振ります。
これで資産の80%以上が米国株依存です。株式のみで構成されているので下落時には30%以上、〇〇ショックがあると40%近く下がる可能性もあります。しかし、過去100年以上に亘って株式は成長を続けていますし、それぞれの商品はある程度分散されています。米国のハイテク株の割合が高いのは事実ですが、個別株を持つよりよっぽど安全だと考えています。過去の実績をもとに話をするなら、今後も高い成長率が望めると思います。
これぐらいのPFであれば期待リターンは10%程度になるでしょう。米国株式の依存率が高く、米国経済の影響を大きく受けます。下落時は40%以上の下落を覚悟しておいてください。
まとめ
・自分のリスク許容度を探りながら慎重に投資を始める!
・前提として生活防衛資金を貯めて、余剰金をどう振り分けるか考える!
・10%程度のリスク許容度なら安定重視型ポートフォリオ(カメさんタイプ)
・25%程度のリスク許容度ならバランス型ポートフォリオ(フクロウさんタイプ)
・40%以上のリスク許容度なら成長重視型ポートフォリオ(オルカさんタイプ)
投資は続けることが大事です。リスク許容度を超えた無理な投資をして辞めてしまったら元も子もありません。またリスク許容度自体、経験や生活環境、家族構成などによって変化していくものです。最初に決めた投資方針に拘らず、環境に応じてアップデートが必要かと思います。今回のPF案もあくまで一例です。参考になれば幸いですが、市場に居続けることで自分に合ったPFが見つかるとよいですね。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございます。
コメント